公益社団法人 鹿屋青年会議所 第53代理事長 加藤 俊作
はじめに
我々 が住み暮らす大隅半島には、宮内庁書陵部管轄である、神武天皇の父君(ウガヤフキアエズ)と母君(タマヨリヒメ)の御陵とされる、全国でも珍しい岩屋の陵 の吾平山上陵が存在しています。日本の祖であるお二人に見守られながら、おおすみは豊かな大地と海を有する大自然で育まれた豊富な食材を主に、第一次産業 を基幹産業として発展して参りました。そして、その第一次産業が六次産業化への展開を図るために鹿児島県大隅加工技術研究センターが整備されるなど、加工 品の試作品づくりや販路拡大につながる新たなステージへと進もうとしております。
歴史教育としては、旧鹿屋海軍航空隊の歴史史料館があ り、 若くして飛び立った特攻隊員の遺影や遺書の展示や、太平洋戦争当時の形を残す戦跡もあることから、かつて神風特別攻撃隊として多くの尊い命の犠牲のもとに 今日の平和があることや、戦争の歴史を風化させずに学び知ることができます。また観光資源として、毎年恒例となっているかのやばら園の「かのやばら祭 り」、海上自衛隊鹿屋航空基地で行われる「エアーメモリアルinかのや」では、県内外を問わず15万人を超える多くの観光客で賑わいます。このようにおお すみの地には、自然・産業・観光の面において、この国の資源とも言える魅力が沢山つまっています。
今年度は、九州地区大会の主管という一 つ の大きなチャンスを頂き、おおすみの魅力やJCの運動を多くの方々に認識していただく絶好の機会でもあります。まずは、我々が住み暮らすおおすみを調査分 析し、郷土愛をさらに育みつつ鹿屋JCメンバーみんなが他人事ではなく我が事だと当事者意識をもち、より結束力の強い鹿屋JCになり、公益社団法人日本青 年会議所九州地区協議会、鹿児島ブロック協議会、九州地区内6ブロック協議会・77LOMと連携を取ることが必要となります。そして、多様化する国際社会 の中で生きる子供たちが、国際社会の一員としてどのように生きていくかという国際意識を形成していくことは必要であり、世界中に広がるJCIのネットワー クから多くの事例を参考にすることができます。さらに、会員拡大に関しては、このおおすみの未来の希望となる志同じくする仲間を求め、より地域に密着した 鹿屋JCの存在を心掛けていかなければなりません。
今年度鹿屋JCは、自分たちが住み暮らしているまちから受けた恩恵に対して感謝の心をもちながら、力強くこれらの運動に取り組んで参ります。
九州地区大会を通した新たなるみちの創出
我々 は、創立から先輩諸兄の想いを脈々と受け継いで参りました。今年度、鹿屋JCは公益社団法人日本青年会議所九州地区協議会が主催する2016年度の九州地 区大会を主管致します。「このまちを地域の方々と一緒により良くしたい、このまちを地域の方々と一緒により発展させたい、このまちを明るい豊かな社会に導 きたい。」との想いを志として、県内外の方々にはおおすみの魅力を感じてもらい、おおすみの方々には地域に根差したJC運動を理解していただくことを目指 します。さらに、この地区大会の主管を成功に収めることで、鹿屋JCメンバーが、スキルアップし、精神的にも確固たる自信を手に入れ、今後展開していく JC運動・活動の幅が広がり、このまちの希望となります。また、九州地区内のメンバーとおおすみの方々に満足していただき、JCにとっても有意義な大会を 構築するために、公益社団法人日本青年会議所九州地区協議会、鹿児島ブロック協議会、九州地区内6ブロック・77LOMと連携を取り、そして、地域の他団 体からの協力も頂きながら、鹿屋JCメンバー一人ひとりが、当事者意識とこの九州地区大会に関わる方々にご協力をしていただくことに対して感謝の心をもち ながら、自分たちがこの九州地区大会を主管遂行していくのだと能動的に行動して参ります。
おおすみの真の魅力発見
世 界においても急速な成長をしているアジア。そのアジア圏で九州というのは非常に重要なポジションを担っており、その九州の中でしっかりと主張し、立ち位置 を確立していくためにも、おおすみの真の魅力を発信していく必要があります。この大隅半島はアクセスの悪さから、地元では陸の孤島と呼ばれてきました。し かし、博多-鹿児島中央間を結ぶ新幹線が2011年に全線開通し、その延長として鹿児島中央-鹿屋直行バスも定着してきました。2014年には東九州自動 車道と大隅縦貫道が開通し、以前よりも交通・物流の面では便利になってきており、少しずつではありますがインフラの整備もされつつあります。そこで、我々 が住み暮らすまちには、多彩な資源が存在することに対して感謝の心をもちながら、県内外の方々にこのおおすみの真の魅力を発信すると共に、九州中の魅力そ れぞれを堪能して頂ける事業や、かのや夏祭りなど地域と一緒に参画する事業を行います。この国の資源とも言える自然・産業・観光を、まずは我々が、住み暮 らすおおすみを調査分析・発見し、郷土愛をさらに育みつつ、おおすみの方々に故郷の真の魅力を認識していただき、それを鹿屋JCが県内外に発信すること で、交流人口の増加につながります。
鹿屋JCとして透明性のある組織運営
公 益社団法人の団体として透明性のある組織運営と定款をはじめとする運営規定に則り、鹿屋JCの予算・決算の精査に取り組むのは当然ですが、今までと同様の 透明性ある組織運営を当たり前に行う正確性を大事にします。そして、先輩諸兄が長い年月をかけて築いて来られた組織の土台をもとにJC運動ができることに 対して感謝の心をもちながら運営して参ります。鹿屋JCは今までもホームページやSNS等を使った広報活動を行い、リアルタイムにJC運動の発信を行って きました。しかし、我々鹿屋JCの運動・活動に関心をもち、注目していただくために、各委員会の事業前のPR告知や、事業実施中のLIVE感溢れる生の情 報をメディアとも連携した運動発信を行い、見ている方々が、印象に残る様な情報発信を行っていきます。さらに、今年度は、鹿屋JCの運動だけの発信ではな く、このおおすみの真の魅力の広報も行い、他所の方々に「おおすみの地に行きたい」と思える様な広報活動も実施します。そして、年間を通して見ている方々 におおすみの真の魅力とJC運動を理解してもらえる情報を発信していきます。おおすみの方々が我々の広報活動により、おおすみの真の魅力を認識し、JC運 動を理解していただき、事業へのボランティア参加や、さらなるまちづくり・ひとづくりへの興味、行動、意識の変革を抱いてくれることを念頭に活動を行いま す。
国際意識をもった青少年を育てるグローバルな運動
鹿 屋JCは「龍潭JCと鹿屋JCはJCIの精神に立脚し人類愛を基本として相互理解と友情を敦篤にするのと同時に経済文化の交流を通じて地域社会の発展と両 国の繁栄そして世界平和の為に両JCは努力する。(締結書より抜粋)」という志のもと、台湾の龍潭JCと1987年6月6日に姉妹青年会議所締結をしてお り、今年度で29年目を迎えます。そこで本年度は、先輩諸兄が運動をしてきた国際の機会に触れることができることに対して感謝の心をもちながら、日本JC やJCIとのネットワークを活かし、国際意識を形成し、新たな国際交流の要素を兼ね揃えた、東アジアとの交流を通じて世界へ目を向け、よりグローバルな視 点、考え、アイデンティティをもつ青少年の育成事業の構築に取り組みます。参加した子供たちに国外の友人ができることにより、世界の中に自分が居ることを 認識して、グローバルで広い視野や考え方をもち備えられる事業を実施します。鹿屋JCは青少年育成事業として長きに亘りアドベンチャー事業やスポーツ体験 型事業を開催して参りましたが、国際的な交流を含んだ青少年育成事業を行うことで、参加者自らが国際社会の一員としてどのように生きていくかという主体性 を一層強く意識を醸成させます。またこの活動により、近年疎遠となって来ている龍潭JCとの交流を活性化させ、民間外交交流から行政、国家間の関係構築へ 発展させて、さらには、恒久的世界平和やグローバルパートナーシップにつなげていく役割の一部も担って参ります。
未来の希望となる会員拡大
1 人でも多くの人が組織に入り、運動・活動に参加し、LOMが発展するために、会員拡大は特に力を入れていかなければいけない重要課題です。人数は多ければ よいというわけでもありませんが、民主主義の社会では数は力であるのも事実です。JCの活動は、「個人の修練」「社会への奉仕」「世界との友情」の3信条 をもとに会員がお互いに切磋琢磨し、地域をより良くする目標を達成する感動を共有し、世界観をもった真の友情を深めることに最大の意義があります。この JCの活動を通して、地域のより「明るい豊かな社会」の実現に近づけるために、1人でも多くの方々に鹿屋JCへ入会していただくことで、このおおすみの輝 かしい未来が拓けます。また、今年度の鹿屋JCは、九州地区大会を主管致します。鹿屋JC52年間の歴史の中で、九州地区大会の主管は一度もなく、53年 目にして初の挑戦となります。この貴重な主管経験ができるというのは今年度の鹿屋JC会員だけが与えられた特権です。そこで、この機会により多くの新しい 仲間と出逢えることに対して感謝の心をもちながら、未来の希望となる人財の発掘と、おおすみの希望溢れる未来の創造に向けて会員拡大活動を実践します。
おわりに
鹿 屋JCは2013年度に創立から50周年を迎え、我々は日々進化し新たな挑戦を続けていきます。本年度は、初の挑戦である九州地区大会の主管や公益社団法 人日本青年会議所九州地区協議会会長の輩出をさせて頂いております。初めて何かを行う時には、スムーズにいかないこともあります。しかし、鹿屋JCメン バー一人ひとりが当事者意識をもち、本気で物事に取り組み、その試練を乗り越えた時、鹿屋JCが未来の希望となることをお約束します。例えば、青年会議所 には「ビジネス」「個人」「地域」「国際」の4つの機会があります。この一年間、機会がいたる所に転がっており、いつでもその機会は近くにありますが、自 ら取りに行かなければ得られるものではありません。九州地区大会に来てくださる方々、各LOM事業に参加してくださる方々、一緒に動いてくれるJCメン バーと、このおおすみの地へ感謝の心をもちながら、様々な機会を鹿屋JCメンバーみんなと獲得できる様に、本年度の鹿屋JCの運動を全力で奮闘することを 誓います。
このまちに感謝の心を抱き、挑む勇気と当事者意識をもった能動的運動!すべては希望溢れる未来のために!!